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脳科連バイマンスリーメールマガジン 2021年1月号(No.4)
http://www.brainscience-union.jp
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日本脳科学関連学会連合
会員学会及び評議員の皆さま

バイマンスリーメールマガジン1月号(No.4)をお届けします。
お手数ですが、貴学会内の会員の皆さまへのメール配信をお願い致します。

❏今号のコンテンツ
・年頭のご挨拶:伊佐正代表
・第5期脳科学将来構想委員会について:花川隆委員長
・第3回リレーエッセイ:小泉修一先生(日本神経化学会)
・活動報告(12〜1月)
・広報委員会からのお知らせ
・事務局だより

 

【年頭のご挨拶:伊佐正代表】
会員学会の皆様

少し遅くなりましたが新年のご挨拶をさせていただきます。
昨年はCOVID-19に振り回された年でした。今年は「少しはましな年になってほしい」という新年の挨拶を交わされた方も少なくないのではないかとお察ししますが、年明け早々から患者数の爆発的増加、そして緊急事態宣言の発令という事態に至り、今年も容易ならぬ始まりを迎えています。
コロナ禍におけるメンタルヘルスの問題、はたまたコロナが脳を直撃する症例や鬱や嗅覚障害などの後遺症の問題。子供の成育を取り巻く環境の変化、さらには急激に変化しているコミュニケーション環境の変化が我々にもたらす影響等々、脳科学が解決のために貢献を求められている社会的課題も山積しております。こういう時こそ我々の知恵を結集して乗り切らなくてはいけない時と思います。
少し遅くなりましたが、今期の将来構想委員会が発足し、花川隆先生(日本臨床神経生理学会)が委員長に選ばれました。基礎と臨床神経科学の両方に造詣の深い先生で、今後エネルギッシュに脳科連を盛り立てていただけるものと期待しています。それでは本年もどうぞ宜しくお願い致します。
また、皆様のご健勝をお祈り致します。くれぐれもご自愛ください。

脳科連代表 伊佐 正

 

【第5期脳科学将来構想委員会について:花川隆委員長】
第5期脳科学将来構想委員会について
脳科学将来構想委員会 委員長
日本臨床神経生理学会 代議員
花川 隆(京都大・院医・脳統合)

この度、第5期脳科学将来構想委員会の委員長を拝命しました花川です。
身にあまる大役ではありますが、脳科学の発展のために尽力させていただく所存です。
この場をお借りして、今期の将来構想委員会の活動についての展望を述べたいと思います。
2021年1月現在、COVID-19の世界的な蔓延は社会活動に大きな影響を及ぼしています。
関連学会における諸活動も例外なく大きな制約を受けています。ポストコロナ時代では、従来の研究・臨床・学会活動をただ継続・発展させるだけでなく、状況に合わせて柔軟に変化させる必要があります。これは容易なことではありません。ただ、外部環境の大きな変化の際、何がどう変わったのかをよく把握し、環境に合わせた最適な生存戦略を考え、行動を変えていくのは脳の機能の本質だと思います。
2020年11月号(No.3)に山脇前代表が記されている内容も含め、脳の特性を研究しているわれわれ脳・神経科学者ならではの、ポストコロナ時代への適応解を提示していくことは重要な課題と考えています。
さて、本委員会が継続して担当している案件に、学術の大型研究計画に関するマスタープランの提案があります。脳科学学会連合が中心になって提出してきた過去数回の計画は、文科省が策定するロードマップの採択には至っておらず、戦略の練り直しが必要です。新しい切り口からマスタープラン提案の作成を行うことは、今期委員会の大きな役割です。関連して、脳科学研究を大きく前進させる新しい研究目標の提案を行っていく必要があります。最後に、第4期委員会で策定された20年後、50年後の脳科学ビジョンを参考にしつつ、脳科学学会連合が描く将来の脳科学研究のグランドデザインと、各学会の将来構想が融合して発展する方向を探ることが今期の委員会の特に重要なミッションであると考えています。そのため、まず各学会の将来構想委員会相当のグループと脳科学学会連合の連絡を密にすることに着手したいと考えています。
以上、また当面のウェブ会議が増えそうな雲行きですが、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

 

【第3回リレーエッセイ】
日本神経化学会 https://www.neurochemistry.jp/
理事長 小泉修一

日本睡眠学会からバトンを頂き、今回は日本神経化学会がお伝えします。
2021年が始まりましたが、開始早々に再度の緊急事態宣言が発出される事態となりました。学会活動は勿論ですが、研究、教育等々、でご苦労されている方が多いと思います。
どうぞ感染に留意されてお過ごし頂ければと思います。
さて、日本神経化学会は「脳疾患を分子で明らかにする」「議論を尽くす」「真剣に若手を育成する」を大きな柱として活動をしております。
基礎・臨床、さらに様々な学際領域の研究者が参加する1,200名程度の学会組織で、神経化学を標榜する世界最古の学会となっています(国際神経化学会よりも古い)。大会時には、十分に時間をとった討議、また「若手道場」や「若手研究者育成セミナー」等、特徴あるプログラムにより、神経化学の発展と人材育成を担っています。
特に若手研究者育成セミナーでは、講演後に担当講師と車座になって夜を徹して話し合うことが多く、サイエンスは勿論、それ以外のキャリアパスや生き様等も含めた若手育成の場になっています。
最近、本セミナー出身者から次々と素晴らしい成果が発表されており、若手の成長をとても頼もしく思っております。また若手育成に加え、OBの先生方にもご協力頂くシステムを構築しております。
今期の本学会スローガンは「伝統の継承と改革」ですが、継承すべき歴史を知るため「私と神経化学」と題したOBによるリレーエッセイを開始しております。
かつての日本神経化学会の様子や、当時のサイエンス、さらには各先生方の哲学が毎回熱いエールとともに届いています。次号が楽しみになるような人気企画になっております。本学会HPからアクセスできますので是非ご覧いただければと思います。
脳科連でも、上田委員長を中心に色々な企画が始まっています。本メルマガ、さらにリレーエッセイが人気企画となり、脳科連の活動が会員の皆様、さらに世の中に、より広くより正確に伝わるようになることを祈念しております。

 

【活動報告(12~1月)】
・第17~18回評議員会の議事録がWebに掲載されました。
・第22~23回運営委員会(メール審議)の議事録がWebに掲載されました。
・2021年第1回(第5期)将来構想委員会の議事録がWebに掲載されました。

 

【広報委員会からのお知らせ】
・次号のメールマガジン(No.4)は1月下旬の発信を予定しています。
・ルンドベック・ジャパン株式会社から尾崎副代表の監修した記事に含まれる「緊急提言新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係るメンタルヘルス危機とその脳科学に基づく対策の必要性」について医療従事者向け会員制Webサイト掲載コンテンツへの転載利用の希望があり、代表決裁で許諾されました。許諾料はなしです。
・本連合のWebページにサイトポリシーが設置されました。
・脳科学豆知識:このコーナーは脳科学に関して一般の方向けに分かりやすく解説しています。第20回目の牧之段学先生による「跳躍伝導」が掲載されました。
http://www.brainscience-union.jp/trivia/trivia2303
牧之段学先生は、奈良県立医科大学精神医学講座のご所属で、所属学会は日本精神神経学会、日本生物学的精神医学会、日本神経科学学会、日本神経化学会、日本神経精神薬理学会です。第21回の豆知識は国立精神・神経医療研究センターの熊崎博一先生にバトンタッチされます。
(所属学会・日本神経心理学会・日本心理学会・公益財団法人日本精神神経学会・日本生物学的精神医学会)

 

【事務局だより(主に会員学会事務局向け)】
・日本神経精神薬理学会の理事長は、中込和幸先生(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院)から大隅典子先生(東北大学大学院医学系研究科)に代わられました。
・2021年の評議員会はWeb開催(Zoom meeting)となります。
・メールマガジン内容へのご意見やお問い合わせは、貴学会の事務局経由で以下までお願いします。

❏日本脳科学関連学会連合事務局