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脳科連バイマンスリーメールマガジン 2022年3月号(No.11)
http://www.brainscience-union.jp
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日本脳科学関連学会連合会員学会及び評議員の皆さま

バイマンスリーメールマガジン2022年3月号(No.11)をお届けします。
お手数ですが、貴学会内の会員の皆さまへのメール配信をお願い致します。

❏今号のコンテンツ
・産学連携諮問委員会と脳科連連携会員制度について
 池田和隆(産学連携諮問委員会準備ワーキンググループ グループ長)
・第10回リレーエッセイ: 黒田 輝(日本磁気共鳴医学会理事長) 
・活動報告(1〜3月)
・日本医学会創立120周年記念事業 式典・シンポジウムのご案内
・事務局だより

【産学連携諮問委員会と脳科連連携会員制度について】
産学連携諮問委員会準備ワーキンググループ グループ長 池田和隆

3月16日の福島県沖地震で被災された皆様にお見舞い申し上げます。また、復旧にご尽力されている皆様に感謝申し上げます。世界では、ロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮による新型ICBM発射実験などがあり、不安な日々となっております。一方、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が全国的に解除され、新年度を迎えて気持ちも新たに取り組まれる方々も多いことと思います。新年度が平和で健全・健康・安全な世界へ向かう年となることを願っております。

さて、前号(1月号)で伊佐代表からご紹介がありましたように、産学連携諮問委員会が設立されて脳科連連携会員制度が制定され、学術界だけではなく、産業界での脳科学者の意見も組み込んだ脳科学コミュニティの総意をまとめる仕組みが出来つつあります。当初5名でスタートした産学連携諮問委員会準備ワーキンググループは、脳科連評議員へのアンケートで産学連携諮問委員会委員へのご関心を示された方々を中心に増員となり、現在21名で活動しております。また、脳科連連携法人会員には、本会員としてサンバイオ株式会社様、ルンドベック・ジャパン株式会社様、アルメッド株式会社様、応用脳科学コンソーシアム様、大塚製薬株式会社様、大日本住友製薬株式会社様、エーザイ株式会社様の7法人様をはじめとして、一般会員として13法人様、支援会員として6法人様の、合計26法人様からご入会申し込みをいただき、運営委員会および評議員会で全てのお申し込みが承認されました。規定に基づき、伊佐代表による産学連携諮問委員会委員の選定、運営委員会および評議員会での承認を経て、委員が決定し、4月に第1回委員会が開催される見込みとなっております。評議員アンケートや法人アンケートへのご回答のご協力や多くの会議での活発なご議論を基に、いよいよ産学連携諮問委員会の活動が始まりますので、ぜひ一層のご理解とご支援、さらにはご参画をお願いできれば幸いでございます。

産学連携諮問委員会では、脳科連運営委員会の諮問を受けて、産学に跨る脳科学コミュニティの産学連携に関する事項の総意形成およびその政策提言に資する活動を行う予定です。個別の産学連携事業の実施は、会員学会、連携法人会員、既存・新規の産学連携コンソーシアムなどで行われるよう、産学連携諮問委員会としてはその方向付けの役割を担う予定です。中核活動としては以下の4つが挙げられています。1)委員会の定期的開催、2)テーマごとにワーキンググループを設置、3)産学連携推進支援企画を脳科連運営委員会あるいは脳科連将来構想委員会に提案、4)産学連携政策を官庁へ提案。産学連携諮問委員会の活動が、日本、ひいては世界の脳科学における産学連携の健全で強力な発展に寄与できるよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【第10回リレーエッセイ】
日本磁気共鳴医学会 https://www.jsmrm.jp/
理事長 黒田 輝

リレーエッセイのバトンを日本生理学会理事長の石川義弘先生から頂きました。

この原稿を書いている今日(2022年3月4日)現在、1週間ほど前から始まったロシアによるウクライナ侵攻で世界が揺れています。21世紀の出来事とは思えない、前時代的な戦争によって一般市民が犠牲になっている報道に、毎日心を痛めております。その中、実は今日これからロシアにいる大学生(コロナ禍がなければ日本に来て学んでいたであろう協定留学生)に磁気共鳴画像(MRI)の講義をすることになっています。学術と政治は切り離されているべきものであり、私もそのような立場で講義するのですが、一方では彼の国の若者がこの侵攻について、肯定的に捉えていないことを祈るばかりです。学会を預かる立場として、研究者や学生が(我々が思うところの)健全な倫理観を持っていることは学問以前に重要なことである、と改めて感じています。

さて、日本磁気共鳴医学会は、1981年に創立された核磁気共鳴(NMR)医学研究会が母体となり、磁気共鳴医学の発展・普及とそれによる医療の充実のために1986年に設立されました。会員数は3,600名余りで、英文誌Magnetic Resonance in Medical Sciences(MRMS、IF=2.471)は同分野有数の雑誌として認識されるようになりました。医学,生物学,化学,物理学,工学といった多様な分野の会員の、開放的かつ密接な活動が当学会の強い駆動力になっています。

ご周知のようにMRIは水素をはじめとした元素の原子核を信号源とするため、脳組織の形態・機能・性状・化学組成などを自然な状態で捉えることができます。脳科連の中にあって当学会の特徴をあげるとしますと、このような脳の特性を解明するための原理や方法に関する積年の知見を有していることだと考えております。最近の重要な課題の一つは、脳脊髄液がニューロンやグリア周囲の細胞外液と交換しながらアミロイドβなどの神経老廃物の浄化を担っている、という仕組みの解明です。血管周囲腔などで張り巡らされた脳の水系(Neurofluid Network)があり、組織内での物質濃度勾配による拡散、心拍動性や呼吸性の圧力伝搬による運動などが複雑に関連して水を動かし老廃物の浄化を行なっています。しかもこの仕組みは睡眠時に活性化すると言われています。この仕組みの解明はアルツハイマー性認知症や水頭症をはじめとした疾患の予防・早期診断・治療という臨床的出口だけでなく、脳内の機能的物質輸送や生物の睡眠の本質の解明といった壮大なテーマに結びついています。
今後も本学会がMRIを通じて、脳科連の活動に少しでも貢献できるよう尽力して参りたいと存じます。

次回のリレーエッセイは三木幸雄先生(日本神経放射線学会代表)にバトンタッチされます。

【活動報告(1~3月)】
第23回評議員会(メール審議)が開催されました。(2月16~25日)
第29回運営委員会(拡大運営委員会)の(Web)開催されました。(2月11日)
第30回運営委員会(メール審議)が開催されました。(3月24~4月4日)
2022年第1回(第5期)将来構想委員会が(Web)開催されました。(3月21日)
脳科連産学連携諮問委員会準備WG(Web)開催されました(2月11日、13日)

【日本医学会創立120周年記念事業 式典・シンポジウムのご案内 】
日本医学会創立120周年記念事業 特設サイト
https://jams.med.or.jp/jams120th/
日本医学会創立 120 周年記念事業 ~日本近代医学創成から 120 年とこれからの120 年~
2022年4月2日(土)13:00~17:10  オンライン開催(参加費:無料)

【事務局だより(主に会員学会事務局向け)】
・新年になり評議員の変更がございましたら、事務局までご連絡をお願いいたします。
・メールマガジン内容へのご意見やお問い合わせは、貴学会の事務局経由でお願いします。

(代理発送)
日本脳科学関連学会連合事務局
office@brainscience-union.jp