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脳科連バイマンスリーメールマガジン 2024年3月号(No.23)
http://www.brainscience-union.jp
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日本脳科学関連学会連合会員学会・連携法人会員及び評議員の皆さま
バイマンスリーメールマガジン2024年3月号(No.23)をお届けします。
お手数ですが、貴学会内の会員の皆さまへのメール配信をお願い致します。
❏今号のコンテンツ
・産学連携諮問委員会主催第3回講演会ご報告:尾崎 紀夫(産学連携諮問委員)
・第30回評議員会ご報告:松井 秀彰(庶務幹事)
・第21回リレーエッセイ:柿田 明美(日本神経病理学会理事長)
・AMED第4回「革新的医療技術研究開発推進事業(産学官共同型)」ワークショップのお知らせ
・令和6年度 脳神経科学統合プログラム(個別重点研究課題)に係る公募開始のお知らせ
・活動報告(2月~3月)
・事務局だより
【独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 藤原康弘理事長によるご講演報告】
名古屋大学 大学院医学系研究科 精神疾患病態解明学、特任教授
産学連携諮委員/評議員 尾崎 紀夫(日本精神神経学会)
脳科学関連学会連合産学連携諮問委員会では、令和6年3月31日(日)15:30~16:30(質疑応答含む)に、薬事規制当局である独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 藤原康弘理事長から、「精神疾患・神経疾患領域におけるドラッグ・ロス解消に向けて」 と題したお話しを拝聴しましたので、概要を紹介致します。
・ご講演の概要:我が国にかつて存在した医薬品承認の遅れ、いわゆるドラッグ・ラグは解消されたが、近年日本では開発自体が行われてない薬剤の発生、即ちドラッグ・ロスという新たな問題が生じている。2023年時点で、欧米で既に承認されているが、国内開発未着手薬が86品目(未承認薬の60.1%)に及んでおり、ベンチャー発、小児・希少疾病用薬領域、新規モダリティ(抗体や核酸等)において多い。このドラッグ・ロスの要因として、薬事規制環境、経済環境(薬価制度)とともに開発環境(創薬シーズ探索や応用研究等の課題)、があげられる。ドラッグ・ロス解消の対策として、1)日本のアカデミアで埋もれている有望なシーズの発掘と同時に、2)海外のイノベーションを呼び込むための臨床開発環境の整備が考えられる。
昨年内閣府が発出した「経済財政運営と改革の基本方針2023 加速する新しい資本主義~未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現~」(いわゆる「骨太方針」)にも、創薬力の強化が明記され、薬価上の措置、希少疾病用薬等の未承認薬の解消に向けた薬事上の措置と承認審査体制の強化棟の推進が盛り込まれた。ドラッグ・ロス解消対策としてもPMDAの国際化・国際発信等を進めている。
・ご講演後の質疑:藤原理事長のお話しを受け、参加者から希少疾病用薬認可の方策について質問が為され、次年度、PMDAには「小児・希少疾病用医薬品等薬事相談センター」が設置されるという情報を頂きました。またプログラム医療機器の開発に関する質問に対して、PMDAのレギュラトリーサイエンス相談などの活用が提案されました。
・ご講演後の感想:藤原理事長ご自身が進めて来られたガン領域での創薬シーズから臨床試験を経た薬事承認や保険適用までに到るプロセスを伺い、精神疾患・神経疾患領域においても創薬を実現するには、脳科学関連学会参加学会員とPMDAとの人材交流も含めた、今後の意見交換が不可欠と痛感しました。
【第30回評議員会ご報告】
新潟大学脳研究所 副所長
庶務幹事 松井 秀彰
コロナ禍で日本脳科学関連学会連合の評議員会もオンライン開催が続いていましたが、コロナを取り巻く情勢の変化に伴い、第30回評議員会は4年ぶりに対面で開催されました。令和6年3月31日のまさに年度末の日曜日開催であるにもかかわらず、会場であるTKP品川カンファレンスセンターANNEXに評議員47名、その他6名の先生方皆様にご参加いただきました。当日東京品川は気温が26℃で、冬から春をスキップしての夏日でしたが、本会も開始前から対面ならではの熱気あふれる名刺交換や挨拶が交わされ、そして13:00からは髙橋良輔代表を中心に活発な意見や議論が交わされました。
主に2023年度事業報告と会計、2024年度事業報告計画と会計計画、その他研究に関わる法整備や科研費に関する確認や議論等が行われました。評議員会の詳細は後日公開される議事録をご参照ください。15:00に評議員会は成功裡に終了し、その後15:30から産学連携諮問委員会主催の講演会が開催され、こちらも多数の先生方のご参加をいただきました。こちらは産学連携諮問委員会の尾崎紀夫委員からのご報告があると思いますのでそちらをご参照ください。講演会終了後も会場での意見交換は継続し、後片付けも含めて17:30頃全てが終了いたしました。
明けて4月1日は私の住む新潟も晴天で本格的な春の到来を感じます。日本脳科学関連学会連合そして関連学会および企業の皆様から明るいニュースをお届けすることができる2024年度になるものと期待も膨らみます。引き続き何卒よろしくお願いします。
【第21回リレーエッセイ】
日本神経病理学会(JSNP)理事長 柿田 明美
一般社団法人 日本神経病理学会 をご紹介申し上げます。
当学会の前進である神経病理懇話会は、1960(昭和35)年2月に、神田一ツ橋の学士会館で第1回が開催されました。その後、1965(昭和40)年の第6回からは日本神経病理学会として開催され、以来、年1回開催している学術研究会は今年2024(令和6)年には第65回を数えます。アクティブな会員数は約1,000人であり、当該専門領域の学術団体としては国際的にみて米国に次ぐ規模です。
当学会のミッションは、信頼性の高い臨床病理診断を行うための知見や情報を提供し、また医学・医療分野としての神経病理学を推進することにあります。診断、研究、教育、社会の4つの基軸を認識し、18の専門委員会がそれぞれ活発に活動しています。当学会では、臨床神経病理学のスペシャリストである「認定医」の育成に取り組んでいます。学会が教育施設を定め研修や試験を実施して資格認定する制度は、国際的にみても米国神経病理学会と当学会のみです。年次学術研究会では、神経病理学の基礎を学べるプログラム:コアカリキュラム教育セミナーや、病理組織標本を会員が事前に観察してディスカッションに臨む企画:Diagnostic slide sessionを開催しています。ポスター演題では、当該症例の病理標本を持ち寄り、これを会員が自由に顕微鏡で観察しながら議論いたします。この伝統的な形式は当学会学術研究会の特色の一つとなっています。脳神経科学研究にとって重要なリソースであるブレインバンクは、学会員の地道な努力と関連学術団体などとの連携により世界有数の規模へと成長して参りました。また保存されている標本リソース
の質の高さには国際的に定評があります。知る人ぞ知る我が国の脳神経科学研究のアドバンテージでございましょう。実際、国内外の病態研究に活発に活用されています。英文機関誌『Neuropathology』は、隔月で年6号をオンラインジャーナルとして、また学術研究会プログラム・抄録集を増刊号として発行しています。
2024年はVol. 44を刊行して参ります。当該学術分野のアジア・オセアニアを代表する学術団体として国際社会に情報を発信しています。当学会がホストとして開催した国際神経病理学会は過去2回(1990年 第11回@京都、2018年 第19回@東京)ございます。
コロナ禍を経たこれからの学会や学術研究会のあり方について、議論を進めているところでございます。これはどの学術団体も直面していることでありましょう。日本神経病理学会は、これからも学会員が協力して、また関連学会や病院・大学等の医療・研究機関あるいは企業とも連携して、現在の医学会のニーズにかなう活動を展開して参ります。
脳科連の皆様のご協力を今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
次回のリレーエッセイは日本小児神経学会理事長の加藤光広先生にバトンタッチされます。
【AMED「革新的医療技術研究開発推進事業(産学官共同型)」第4回ワークショップ開催案内】
会期:令和6年4月23日(火)10:30~16:30(予定)
会場:大手町プレイスホール&カンファレンス
https://otemachi-place-hc.jp/access.html
対象:産学官連携に興味のある医療系のスタートアップ企業、一般企業ならびにアカデミア関係者
【URL】https://www.amed.go.jp/news/event/20240423_sangakukan.html
※参加締切:令和6年4月17日(水)17時
【令和6年度 脳神経科学統合プログラム(個別重点研究課題)に係る公募開始】
令和6年度 脳神経科学統合プログラム(個別重点研究課題)に係る公募開始が3月8日に以下のサイトで発表されました。
https://www.amed.go.jp/koubo/15/01/1501B_00104.html
【活動報告(2月~3月)】
・第35回運営委員会(拡大運営委員会)3月29日
・第30回評議員会3月31日
・産学連携諮問委員会主催第3回講演会3月31日
【事務局だより(主に会員学会事務局向け)】
・評議員の変更がございましたら、事務局までご連絡をお願いいたします。
・メールマガジン内容へのご意見やお問い合わせは、貴学会の事務局経由でお願いします。
(代理発送)
日本脳科学関連学会連合事務局
office@brainscience-union.jp